街に緑を増やそう。
長年環境緑化に取り組んできた那須緑地ならではの地域貢献。

公共の場所の美化ボランティアを県民や事業者から募る滋賀県の「淡海エコフォスター事業」。社会貢献意識が高い多くの企業が名乗りをあげるなか、長年、環境緑化に取り組んできた那須緑地株式会社は「行動を通して社会貢献を学ぶ」ため地域清掃に取り組んでいます。
以下は滋賀銀行発行誌「かけはし」でのインタビューをご紹介します。

彦根市

社会貢献の主役は「従業員みんな」という気づき

那須緑地さんがどんな会社であるかを教えてください
原田
公園や街路樹づくり、お庭づくりなどを通して"緑と暮らす生活"を提案する造園土木事業が柱です。創業者の那須将利会長は、経済成長によって自然が損なわれていく姿を憂いて1973年に造園事業をスタート。その時に掲げたのが「街のいたる所に緑を増やし、自然環境の保全に努めよう」という理想でした。それからは造園を軸にしながらトータルに住環境を提案するために、不動産事業や水道設備工事、ホテル経営にまでフィールドを広げて、4つの会社を持つ「那須グループ」へと成長。地元、彦根市を中心に多くのみなさまへ「ゆとりと潤いある快適な住環境」をお届けしています。
滋賀県が呼びかける「淡海エコフォスター制度」に共鳴され、2005年秋から地域清掃ボランティアに取り組んでおられますね
原田
街を美しくする主役はほかでもない、そこに生きる私たち自身なんだ・・・。 そんな"気づき"を促し、広げていくことが「淡海エコフォスター」の心です。私たちは「緑を増やそう」という初志を心に銘じるため、1999年にISO14001の認証を取得。グループ独自の「環境方針」をつくって従業員への意識啓発に努めてきました。
那須(康)
ただ、具体的な行動へ進めにくかったのも事実です。「方針」「理念」は経営者のものではなく、会社で働くみんなが主役・・・。その"気づき"を促すうえで、エコフォスターはよい契機になるだろうと考えました。
那須(賢)
毎月の給料日に「私たちの繁栄も地域の支えのおかげです」と感謝する意味も込めて、午後4時からの1時間、本社ビル周辺やココス大薮店、平和堂大薮店あたりなどの3つのエリアで除草やゴミ拾いをして回ります。現場作業があるためいつも全員参加は難しいのですが、私たち経営幹部は必ず参加しています。

行動を通して「理念」が心に刻まれた

この取り組みで、従業員さんたちの意識はどう変わったでしょうか?
那須(康)
会社全体で取り組む地域奉仕ボランティアですから、従業員にも積極的に参加してもらいたかった。そのためにはまず、私たちが先頭に立たなくては。そうすれば必ず、従業員の心を動かせます。そのうえで経営者も従業員も同じ姿で路傍にしゃがみ、額に汗を滴らせながらコツコツと雑草をむしる。空き缶を拾う。ほかでは得られない"一体感"が身体を動かす時間の中で育まれていきます。
山﨑
最初は「面倒くさい」と思わなかったといえば嘘になります。でも、社長たちが率先して頑張っている姿を見ると「まあやるか」と(笑)。もともと庭木の剪定などをするのが仕事ですから、街が美しくなるのを見ると「次はもっとキレイにしたい」と欲が出てきました。自分で掃除した街を汚したいとは思いませんし、自然とマナー意識も高まりました。
原田
紙に書かれた「環境理念」が、行動を通して心に刻まれつつあるのだと感じますね。土木施工を承っても「リサイクル材をもっと使いませんか」とお施主さんへ逆提案するなど、日々の仕事の中で環境配慮を心掛ける意識が着実に育っているように思います。
  • 地域清掃ボランティア
  • 屋上緑化

湖国全体が「緑と調和する庭」になるお手伝い

「本業」に忠実であることが、御社にとって最良の社会貢献の道なのですね。
那須(康)
それが企業理念だからでなく・・・私自身のごく素直な思いから、お庭づくりでは芝生や生け垣を採り入れてもらえるようご提案を心掛けています。フェンスや化粧ブロックで施工した庭に少しでも植物が添えられれば潤いが生まれ、庭が"呼吸"するようになるからです。
原田
「美意識のある庭」をみなさんが考えていただければ、それだけで街の景観が豊かになります。緑が増えることで二酸化炭素の減少にもつながります。そんな思いの輪がごく自然に広がって、湖国全体が「暮らしと緑が調和する」大きな庭園になっていけば・・・。そのお手伝いをすることが私たちの夢です。
那須(賢)
不動産も取り扱いますから、街のみなさんとふれあう機会も多いですね。分譲地の近くの幼稚園のバザーにご協力したり、庭木の剪定屑からリサイクルした堆肥を小中学校の体験農業で使っていただいたり、環境を考えるなにかの"種子"を蒔けたとしたら・・・とても嬉しいですね。