パーソナル・ファイナンス・プランの作成について

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 パーソナル・ファイナンス・プランの作成について、3回にわたってお話ししたいと思います。

第1回目の今回は、「パーソナル・ファイナンス・プランの目的」、「現在価値の考え方」について説明しましょう。

1.パーソナル・ファイナンシャル・プランの目的

 パーソナル・ファイナンシャル・プランの目的は、あなた自身と家族が満足するライフデザインとそれに基づくライフプランを作成することです。

 ライフデザインとは個人の生き方のことであり、ライフデザインには人生に対する価値観が表現されます。人の価値観には、経済的価値、文化的価値、道徳的価値や、環境価値、地域価値などがあり、それらをどう評価するかは人によって異なります。また、現代社会は個人の生き方が極めて多種多様になっており、家族構成では、シングル、ディンクス、ファミリー(片働き、共働き)などがあります。こうした個人の生き方を方向づけるものをライフデザインと呼んでいます。

 これに対してライフデザインを具体化したものがライフプラン、つまり、生涯生活設計です。広い意味でのライフプランには、キャリアプランや家族に関するファミリープラン、生きがいに関する活動プラン、そしてファイナンシャル・プランなどが含まれます。この広義のライフプランに対して、ライフプランを数値化したものがファイナンシャル・プランニングにおける狭義の意味のライフプランです。すなわち、キャリアプランとそれに基づく収入予測、住宅取得の具体的な数値的プラン、教育資金に関する数値的な計画、老後資金プランなどをキャッシュフロー表とバランスシートで表現していくことが、ファイナンシャル・プランニングにおけるライフプランニングと呼ばれています。

2.現在価値の考え方

 次回以降でキャッシュフロー表を作成する上で必要な「係数」について、具体的な数値を使って説明します。その際には「現在価値」という考え方が非常に重要となりますのでここで説明したいと思います。

 パーソナルファイナンスに関する意思決定は、異なる時点のコストと利益、キャッシュフローや資産の評価に関わっています。株式や債券に対する投資についても、不動産投資についてもこの点は変わりません。従って異なる時点間の価値を比較しなければなりません。

 そのためには、貨幣の時間価値を理解することが必要です貨幣の時間価値とは、現在手元にあるキャッシュは、将来同額を得る以上の価値があるということです。例えば年利1%で運用が可能である場合、現在の100万円は1年後には101万円(100万円+100万円×1%)であり、1年後の100万円は現在の99万円(100万円÷1.1)だということです。100万円>99万円で現在の100万円の方が価値が大きいですね。

 次回はキャッシュフロー表を作成する際に利用する「係数」について、具体的な数値を使って説明します。

例えば、「5年後に100万円の教育資金を貯めるには、今から毎月いくらずつ積み立てたらいいか?」や「現在の預金1,500万円を3年運用後、老後資金といて毎月20万円ずつ10年間取り崩す場合の不足額は?」といった計算の場合に使用します。

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